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  • 2017.02.25 Saturday
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モヘンジョダロ(3) 城塞部

いよいよモヘンジョダロの遺跡を見学する。私たちの他に観光客らしき人の姿を見かけないのは、まだ9時すぎという早い時間だからだけではなく、やはり治安の関係で訪れる人が少ないからなのだろう。それにしても、むかし歴史の教科書に出てきた印象的な名前のモヘンジョダロ(とハラッパー)、それがパキスタンにあるとはパキスタンに来ることが決まるまで知らず、パキスタンに来てからもアクセスや治安が悪くて行くのは難しいと思っていたから、こうして実際にモヘンジョダロに立つのが嬉しくも、不思議でもある。

インダス文明最大級の都市遺跡であるモヘンジョダロは、約4km四方に及ぶエリアに、いくつかの地区に分かれて街が存在し、最盛期には3〜4万人もが暮らしたとされる。その名が示す「死者の丘」として禁忌の区域と周囲の人々から畏れられたが、1920年代初めに歴史的に重要な遺跡として発掘された。以来、発掘はあまり迅速には行われず、1960年代半ば以降はほぼ停止、いまだ全体の2割も発掘されていない状況だが、それでも重要な世界遺産の1つとして見る価値はありそうだ。

モヘンジョダロの地図

ゲートを入ったところに、モヘンジョダロ遺跡の象徴的存在ともいえる神官王の像が立っている。昨日カラチの博物館で見た本物に比べると、これまたずいぶん大きい。

神官王の像

まずはゲートから近い右手にある城塞部(発掘者の名前を取ってSD地区と呼ばれる)へ。ハッサン氏がどこからか知り合いの私設ガイドのおじさんを連れてきた。少々怪しげだが、おそらく説明書きもほとんどない広い遺跡のこと、自力で回っても何のことやら分からないだろうと、素直にガイドを頼むことにした。ハッサン氏はガイドに私のことをウルドゥー語が分かると紹介したらしく、最初はウルドゥー語で説明されてチンプンカンプンだったが、途中でこいつはほとんどウルドゥー語はできないと分かってくれたようで、英語に切り換わり、やっと説明が理解できた。

ハッサン氏とガイドのおじさん

SD地区は都市の宗教的・行政的な中心部で、城塞の役割も果たしていた。その整然とした計画都市の基盤が今も残っている。

SD地区の街並み

中央には、煉瓦を積み上げて築いた丘の上にストゥーパが立つ。このストゥーパの存在により、モヘンジョダロは仏教遺跡と考えられてきたが、本格的な発掘により、モヘンジョダロが滅びて10数世紀後の紀元2〜3世紀に、その遺跡の上につくられたものであることが分かった。

ストゥーパ

SD地区には特筆すべき要素がいくつもあるが、その1つ、大浴場と名づけられた沐浴場跡。約12×7メートル、深さ2.4メートルのプールは、宗教的儀式のために用いられたと考えられる。

大浴場跡

大浴場の他に個別のバスルームが並んでいるところもあったり、排水溝が設けられていたり、今から5000年も前に、現代のパキスタンよりもすぐれた面もある水まわり設備があったことに驚く。

排水溝跡

大浴場などからの排水は、深さ2メートルもある水路に流され、上澄みは浄水して再利用し、下の水はインダス川へと流された。

水路

井戸の跡もたくさん残っている。

井戸の跡

ゴミ捨て場もある。本当に、ゴミをどこにでも捨てる今のパキスタンよりも、ずっと高度に発達した衛生観念を備えた人々の住む街であったのだ。

ゴミ捨て場

まっすぐに伸びる石畳の道。かつてどんな人々が歩いていたのだろうかと、乏しい想像力を駆使しながら思いを馳せる。

石畳の道

遺跡内の道路や石段などは、古代から残るものと最近新たにつくられたものとあり、新しいものか古いものかよく分からない場合もあるが、それだけ古いものが上質できちんとつくられていたことの証拠だろう。古いものでも、当時の地震や洪水で壊され、修復した跡が残る部分もある。この煉瓦組みの壁などは、それが分かりやすい。

煉瓦組の壁

30数℃は確実にあろうかという気温と照り付ける陽射しの下、影をつくる樹々もない遺跡内を歩くのはなかなかにタフだが、見学はまだまだ続く。


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  • 2017.02.25 Saturday
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コメント
初めまして。オフィス303の酒井と申します。
子どもの本の編集・製作をしている会社です。
現在製作しております書籍に、このエントリーの
7・8枚目に掲載されております、排水関係の2点の
お写真を、お借りして掲載させていたければと
お願いのご連絡をさせていただきました。
よろしければ、下記酒井宛にご連絡をいただけますと
幸いです。
書籍は小・中学生を対象に上下水道を紹介するもので
下水道の歴史を扱うページに掲載させていただければと
思っております。

突然のご連絡で恐縮ですが、ご検討いただければ
幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

infra@office303.co.jp
酒井かおる
  • 酒井かおる
  • 2016/06/10 4:57 PM
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